6月20日
世界情勢は嵐の前の静けさか
―最高権力者の孤独についても-
岩田年浩
世界情勢は外交や政治の動きで、平和にもなるし、悲惨な事態にもなる。簡単ではない。
日本の経済成長動向は上向きと発表されているが・・・、国民に実感がないのには理由がある。、
物価上昇がGDPを成長させて見える原因。今年に入ってからの対米ドル為替の120円~140円の円安状態が、輸入原燃料と食糧の値上がりが穏やかなインフレにしている。 日本での予算委員会には(全ての閣僚が出席する)、アメリカのような「連邦政府の債務上限引き上げ」問題などの純粋な予算審議議論がなされていない。週刊誌的なスキャンダラスな話が多い(今の野党は、こういう話が国民に受けると思っている)。なお、国会審議は質問内容の事前通告制度になっている。その内容に対して、官僚が大臣の答弁を準備している。
米中間の貿易は軍事関連産業を除いて、順調。ここは日本のマスコミは報道していない。
今回、オースティン国防長官と李尚福国防相の会談が成立すればグレードの高い会談になろう。なお、中国での5月末までのコロナの週当たり感染者は4000万人に達し、来月末には同6500万人になると予測されている。今や、ゼロ・コロナ政策から集団免疫の政策への移行中で゜ある。新興7カ国「E7」。(E7とは、中国、インド、ブラジル、ロシア、インドネシア、メキシコ、トルコを指す)。先進国は中国の人民元を売りに入っている。中国から実物資本や貨幣資本が撤退することは、中国にはマイナス要因である。・・・何事も、プラスがはたらけばマイナスが出てくる。誰も知っているはずのことだが、一方だけを強調する。
西側諸国と対立する中・露とも距離を置く、インドのモディ首相は苦労人としてハンディを押し返して、のし上がってきた。彼は世界の仲裁役に躍り出る可能性があると私は思う。インドは、中国主導の上海協力機構にも入っている。サミットでも、ウクライナのゼレンスキーに対して、譲らなかった。インドが経済力をつければ、世界は安定できる。それは何時なのか?
プーチン氏は下戸。大胆さと緻密さの両面を持つが、先行きを予測しきれていない弱点がある。ソ連崩壊後、東西冷戦ライン付近の諸国がNATOになだれ込み、ロシア帝国、続くソ連時代の大国としての権威が衰えた状態を押し返そうとした。それと、本当に心を許せる側近が欲しいところ。彼も強い権力者の孤独の中にある。そして、うわさを流す"不愉快犯"たち。トルコのエルドアン大統領は選挙で勝利でした。トルコ国民にとってはクルド問題、国力や治安強化の必要、国際的に存在感を高めている、エルドアン氏を選んだと言える。中国はウクライナに元在ロシア大使・李輝を派遣した。 中国の当面の狙いは
1.露からのエネルギーの安定供給
2.台湾侵攻を仮想した時の西側諸国に対する、戦術の策定
3.E7等の対自由主義諸国の指導権を露から奪還することにある
前政権に比べはるかに親日的である尹韓国政権は「親米媚中(びちゅう)」だとされている。日本は今こそ韓国と親密になって、周辺の安定化を考えるべきではないか。根本は経済的にお互いの国が豊かになれば、文句は必ず減る。
来年のアメリカの大統領選挙ではトランプ人気に横やりを入れてきた、デサンテス・フロリダ州知事の立候補宣言がある。これにマスク氏とのバトル。バイデン氏は自分の高齢さへの心配がわかっていない。トップの周りに、辛口の冴えた人物を配置していないのかと思われる。権力者によくある弱点だ。
2019年にフォーブスが発表した「アメリカ合衆国で最も革新的なリーダー」ランキングではAmazon.com(アマゾン)CEOのジェフ・ベゾスと並び第1位の評価を受けた。また、電気自動車大手テスラのCEOを務めている。
5月31日に北の共和国(朝鮮民主主義人民共和国)は国家の威信をかけた人工衛星「万里鏡1号」の打ち上げに踏み切った。各紙の報道によると、これは軍事偵察衛星とされている。しかし、打ち上げのちに黄海に墜落した。・・・ロケットとミサイルと人工衛星の区別をしておくこと。
日本の外務省が世界の5か国(イタリア・イギリス・ドイツ・ハンガリー・フランス)で委託世論調査をした結果では、これらの国の人々が連携を強化すべき国は、1位がアメリカ、2位が日本、3位がカナダ、4位がオーストラリア、5位が中国だった(6月1日報道)。
日本の島は実に141215島ある。島嶼国家である。日本の国土を守る、軍事的実力はどうなのか。もし、中国による尖閣諸島の占有を許せば、次は各離島の占有、瀬戸内海への侵入、日本の軍事基地の包囲をしてくるる。日本人の防衛心が心配である。 どんな交渉も、根本は経済力・軍事力を基礎にした、人材の厚さが物を言うが。